こんにちは。アゾレス諸島に1年間在住し、乳幼児2人を連れて全9島を旅してまわった自称アゾレスの案内人・Yuです!
「地球最後の楽園」とも称される、美しいアゾレス諸島(ポルトガル語の発音に近いアソーレスと表記されることも)。
近年TVや雑誌でも紹介されることが多く、世界中で知名度が上がってきている注目の旅先となっています。
アゾレス諸島の魅力は美しい自然、素朴でチャーミングな人々、昔ながらの石造りの家々やユニークな伝統の数々…とキリがありませんが、やはり最大の魅力は「観光地化されていないこと」それに尽きると思います。
今回は、アゾレス全9島の中でも特に観光地という雰囲気ゼロが魅力の「フローレス島」についてご紹介していきますね。
その名も「花の島」!ヨーロッパで最西端にあるフローレス島の魅力とは
「フローレス」とはポルトガル語で「花」という意味。
その名の通り、フローレス島にはカラフルな花が咲き誇ります。
得に夏の間は野生のアジサイがいたるところに咲き誇り、この光景を見るためだけにでも訪れる価値あり。
一生忘れられない圧巻の光景です。
大航海時代、アゾレス諸島の中でも最後に「発見」されたフローレス島。
現在では人口3400人ほどの小さな島ですが、当時はヨーロッパ最西端という位置から港として重要な機能を果たしていたんだそう。
手つかずの自然がそのまま残されており、貴重な鳥類も多く生息。2009年にはユネスコの生物圏保存地域にも指定。
その自然の美しさを求め、世界中からバードウォッチング愛好家、ハイキングやマリンアクティビティなど自然を愛する旅人がやってきます。
島で1番の規模の街は「サンタクルス・ダス・フローレス」で、空港や市庁舎があります。
しかし最大と言っても人口は1500人ほどの小さな村。
アゾレス伝統の教会や家並みが可愛らしく、素朴で和やかな気持ちになれます。
夏の平均気温は25度、冬でも15度と「常春」の過ごしやすい気候なので、ヨーロッパからのバケーション先としてもじわじわと人気上昇中。
近年のアゾレス諸島の注目度アップを見ていると、年十年か先にはもっと近代的で観光地化される可能性も大きんじゃないかなぁと個人的に感じています。
今回は、そんな「今」の穏やかで素朴な美しさが残るフローレス島で絶対にするべき事を4つに分けて紹介していきますね。
小さな村落「Faja Grande」で心も体もリフレッシュ
フローレス島には大型ホテルはないので、民泊やゲストハウスが基本。
私たちは島西部にある「Faja Grande」という村の一軒家に滞在しました。アゾレス伝統の石造りの家で、中に入ると一気にテンションがあがる可愛い内装でした。
Airbnbでたくさんチョイスがあるので、ぜひ吟味してみてくださいね。
Faja Grandeは人口220人の小さな村で、自然豊かなのどかな雰囲気が魅力。
あまり知られていませんが、ここは公式にもヨーロッパ最西端にある集落なんですよ。
本土ではポルトガルのロカ岬が最西端で多くの観光客が記念撮影をしていますが、本当の最西端はここ。
ぜひ港に立って体感してみてくださいね。
Faja Grandeではポコ・ド・バカリャウ(Poco do Bacalhau)という滝と湖へ行ってみてください。
放牧されている牛を横目に歩いていくと、目の前に美しい光景が待っています。
フローレス島には全部で20個の滝がありますが、ここは地元の人にとても愛されているスポットなんだそう。
滝が落ちてくる湖では、湖水浴ももちろん可能。
滝が落ちてくるのを真上に眺めながら、のんびり水につかるのも特別な時間。
心も体もリフレッシュできること間違いなしですよ。
アゾレス名産のチーズとワインでピクニック
アゾレス諸島は美味しいチーズの産地という一面も。
サンジョルジェ島のものが一番有名ですが、こんなに小さなフローレス島にもチーズ工場はしっかりあるんです。
こちらはサンタクルス・ダス・フローレス近郊の「Queijaria Val da Fazenda」という小さな家族経営のチーズ屋さん。
店内からは製造工程ものぞけて、たくさん試食もさせてくれました。
フレッシュなチーズと、地元のスーパーで買ったパンとフルーツ、ハムも一緒に持ってピクニックに出かけましょう!
これにアゾレス産のワインもあれば文句なし!
上記のポコ・ド・バカリャウはピクニックに最高。私たちはここがとにかく気に入って、毎朝ピクニックをのんびり楽しみました。
地球最後の楽園でハイキングをしよう
アゾレス諸島はその手つかずの美しさから「地球最後の楽園」とのニックネームがあります。
どの島もハイキングは最高のアクティビティ。
フローレス島の目玉は、やはり大自然と咲き誇るアジサイ。そして突然現れる海の絶景のコンビネーションでしょう。
ハイキング途中には牛が放牧されていたり、羊が突然現れたり。
本当にのどかな風景に、心から癒されます。
昔の集落跡も突如出てきたり、ちょっとした冒険気分も味わえます。
緑の景色がずっと続いたと思ったら、海岸線の絶景も。
「大西洋のど真ん中に浮かぶ、ヨーロッパ最西端の島でハイキング」。この言葉にロマンを感じた方はぜひ!
アゾレス諸島公式WEBサイトでも、島別にたくさんのハイキングコースが紹介されているので要チェックですよ。
これぞアゾレス!な火山岩の海水プールもマスト!
アゾレス諸島は火山島の集まりというのはご存じでしょうか。
なので海岸線も、黒い火山岩とブルーの海のユニークな景観が見られます。
もちろん海水浴も人気のアトラクションの一つ!
Faja Grandeには整備された海水浴場があり、いつでも火山岩の絶景海水浴を楽しむことができます。
お子様連れの場合、深くなる箇所もあるので浮き具もお忘れずに!
フローレス島のベストシーズンは?
年中過ごしやすい気候ですが、やはり1番のおすすめの時期は7月。
アジサイの見ごろでもあり、島中でフェスティバルが開催されるシーズンでもあるからです。
Festival of the Emigrant(島外へ移民した人が、このお祭りに合わせて島へ戻ってきて家族や友人と祝うというアゾレス独特の慣習)、São João FestivalとFestas do Espírito Santo (聖霊を祝うフェスティバル)というアゾレス諸島伝統のフェスティバルが行われます。
フェスティバルといっても、大掛かりなものではありません。
集落の広場で地元の女性たちが手作り料理をふるまったり、音楽に合わせて踊ったり。
この素朴さがフローレス島の魅力!
ぜひこの時期に訪ねてみても楽しいかもしれません。
フローレス島の移動方法は?
空港でレンタカーを借りるのがベスト。
ただ運転に自信のない方は、宿泊先のオーナーが送迎をしてくれたり手配をしてくれるので予約前に問い合わせてみることをおすすめします。
ここで送迎車といっても、オーナーの友人や家族だったりするのもご愛敬。
産業の少ないローカルの人たちの臨時収入にもなり、たいていとても喜ばれますよ。
また旅行者にとっても、安価ですしローカルの人と仲良くなったり知られざるスポットへ案内してくれるのも特別な思い出作りになります。
フローレス島へのアクセス方法
フローレス島への行き方は、飛行機・フェリーの二択です。
飛行機の場合、ヨーロッパ本土からフローレス島への直行便はないため、まずヨーロッパ各都市からアゾレス諸島のハブ空港であるポンタ・デルガーダ空港(サン・ミゲル島)かラジェス空港(テルセイラ島)へ。
そこからフローレス島へ飛行機かフェリーで乗り継ぎます。
フェリーや飛行機はアゾレス諸島間でどこからでも繋がっているので、何島かホッピングするのも便利ですよ。
地球最後の楽園で、身も心もリフレッシュしよう
素朴でのんびりとした時間が流れるフローレス島。
アクセス抜群とはいかない場所ですが、「地球最後の楽園」の休日はその価値あり。
アゾレス諸島を訪れる際には、フローレス島も検討してみてくださいね。